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絵文字で見るプラットフォーム別のデザイン哲学:Apple・Google・Samsung・Microsoft・Twitter

同じ絵文字でも、Apple、Google、Samsung、Microsoft、Twitter(現在のX)は、それぞれ違う顔で描きます。会社ごとのスタイルの特徴と、主な変化、このサイトでデザインを比べる方法をまとめました。

絵文字は、Unicodeという国際標準が番号と名前を決め、実際の絵は、各社が描きます。そのため、同じ😀でも、会社ごとに、目の形、口の大きさ、色合いが少しずつ違います。

この違いを、たんなる「絵のうまさの差」と見ると、おもしろくありません。絵文字には、会社ごとに目指す画面のスタイル、ほかの文字との調和、小さなサイズでの読みやすさについての考えが込められています。この記事では、主な会社の絵文字のスタイルと、その変化の過程を、デザインの視点から見ていきます。

会社ごとのスタイルをひと目で

会社ごとに、絵文字を描く方向は、かなりはっきりしています。

大きく見ると、Appleは「写実的で豊かな質感」、GoogleとTwitterは「単純でくっきりした平面」、Microsoftは「太い縁取りの平面から、やわらかな立体感へ」と動いてきた流れだと、まとめられます。

Google:ブロブから丸い顔へ

Googleの絵文字の歴史で、いちばん有名な場面は、「ブロブ(blob)」です。Android 7のころまで、Googleの顔の絵文字は、丸い顔ではなく、やわらかいゼリーや水滴のような形でした。

ブロブは、かわいいと言うファンが多かったのですが、問題もありました。顔の形そのものが、ほかの会社とあまりにも違っていたので、同じ絵文字でも、表情が違って読まれることが多くありました。メッセージをやりとりする相手は、たいてい、ほかの会社の端末を使っているので、絵文字では、個性よりも「同じ意味に読まれること」のほうが大切だという判断が出たのです。

結局、Googleは、2017年のAndroid 8.0 Oreoから、今のような丸い黄色の顔に、デザインを変えました。ブロブはなくなりましたが、今でも惜しむ人がいるほど、象徴的なデザインとして残っています。

Samsung:2018年の大改革

以前のSamsungの絵文字は、ほかの会社と形が大きく違っていて、よく話題になりました。代表的な例が🍪です。ほかの会社が、丸いチョコチップクッキーを描いているときに、以前のSamsungのデザインは、四角いクラッカーのように見えました。顔の絵文字も、表情が独特で、送った人の意図と違って読まれることがありました。

Samsungは、2018年に、新しいユーザーインターフェースであるOne UIを出すときに、絵文字を大きく描き直しました。このころから、Samsungの絵文字は、ほかの会社と意味がずれない方向に近づきました。Googleのブロブの整理と同じように、絵文字のデザインでは、「たがいに似て読まれること」が、結局は重要な基準になったことを示す事例です。

Microsoft:Fluentと3D

Microsoftは、2021年に、Fluent絵文字を公開して、大きな変化を予告しました。公開されたとき、目を引いたのは、やわらかな立体感と照明が入った、3Dのスタイルでした。粘土の人形のようにやわらかく見える顔は、以前のWindowsの絵文字の太い黒の縁取りとは、まったく違う雰囲気でした。

ただし、同じ年に出たWindows 11に、実際に入ったのは、3Dのスタイルではなく、平面に近い2DのFluent絵文字でした。3Dのスタイルは、そのあと、Teamsなどで使われはじめました。そのため、「Fluent絵文字」といっても、どこで見るかによって、平面版と立体版があると知っておけば、混乱しません。

Twitter:オープンソースのTwemoji

Twitterは、Twemojiをオープンソースで公開して、誰でも自分のサービスに入れて使えるようにしました。端末に関係なく、同じ形で見せられるという利点から、多くのウェブサイトやアプリが、Twemojiを採用しました。

TwitterがXに変わる過程で、もとのリポジトリの更新が止まり、今は、開発者コミュニティが作った派生(フォーク)のプロジェクトであるjdecked/twemojiが、新しい絵文字を加えながら、管理を続けています。

デザイナーたちが共通して悩むこと

会社ごとにスタイルは違っても、絵文字を描くデザイナーがぶつかる問題は、似ています。

とても小さなサイズでも読めなければならない

絵文字は、ほとんどが、文字のサイズ、つまり爪より小さなサイズで見られます。大きな画面ではすてきな質感や陰影も、小さく縮めると、つぶれてしまうことがあります。そのため、目や口のように、感情を伝える部分は、大きくはっきりと、残りは単純に描くのが基本です。Twemojiのような平面的なデザインが、小さなサイズでくっきり見える理由も、ここにあります。

名前はひとつ、解釈はいくつも

Unicodeが決めた名前が同じでも、どの瞬間を描くかは、デザイナーが決めます。🤗(ハグをしている顔)は、会社によって、両腕を広げて抱きしめようとする姿にも、手を振って「じゃーん!」とする姿にも見えます。😬(歯をむき出した顔)は、デザインによって、ぎこちない笑いにも、困って歯を食いしばる表情にも読めます。こうした絵文字は、会社どうしの違いが、とくに大きく感じられます。

ほかの会社とあまりに違っても困る

メッセージは、ほかの会社の端末にも届くので、一社だけが独特な解釈を選ぶと、誤解が生まれます。先に見たGoogleのブロブや、以前のSamsungのデザインが整理された理由も、Appleが🔫を水鉄砲に変えたあとで、ほかの会社が順に追いかけた理由も、結局は、「たがいに同じ意味で読まれなければならない」ということにあります。

このサイトで3つのデザインを比べる

emojicanvasの絵文字の詳細ページには、「デザイン別の画像」の欄があり、ここで、3つのデザインを並べて見られます。

AppleとSamsungのデザインは、ライセンスの問題で、このサイトでは画像としてお見せしていません。その代わり、いちばん上に大きく見える絵文字は、いまお使いの端末が直接描いた形なので、iPhoneやGalaxyを使っているなら、その端末のデザインと、3つの画像をいっしょに比べられます(Emoji 16.0以降の最新の絵文字は、いちばん上もNotoの画像で表示されます)。

比べるときは、表情が微妙な絵文字を選ぶと、違いがよくわかります。

まとめ:個性と統一のあいだ

絵文字のデザインの歴史は、会社ごとの個性と、たがいに同じ意味に読まれなければならないという要求の間で、バランスを探してきた過程です。Googleのブロブや、以前のSamsungのデザインが整理されたのも、結局、絵文字が、ほかの端末とやりとりする「文字」だからです。

それでも、会社ごとの固有の色合いや質感は、今も残っています。気になる絵文字があれば、詳細ページで、3つのデザインを比べてみてください。同じ😀の中にも、各社のデザイン哲学が、少しずつにじんでいます。

最終確認 2026-10-23

この記事の絵文字

オンにすると、絵文字をタップしたときに詳細ページではなく下の欄に追加されます。

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