♥️はトランプの4つのスート(♠♥♦♣)のうちのハートです。Unicodeには1993年に「文字記号」として先に入り、あとから絵文字として表示するバリエーションが加わって、いまは多くの端末で赤いハートに見えます。意味は❤️(赤いハート)と実質同じで、愛情、好き、感謝などに幅広く使います。ただ、❤️が最初から「気持ちを表すハート」として作られたのに対し、♥️は本業が「カードの記号」なので、機種やアプリによって形が変わったり、小さな黒いハートで出たりすることがあります。日本語の公式名は単に「ハート」で、「トランプのハート」「記号のハート」「テキストのハート」などとも呼ばれます。
こう使う
- 愛情表現:「おやすみ♥️」
- 好きなもの:「この曲ほんと好き♥️」
- 感謝:「プレゼントありがとう♥️」
- 文字の飾り:「♥お誕生日おめでとう♥」のように文を挟む
- 文字どおり:トランプ、ポーカーの役、マークの説明
❤️との意味の差はほとんどありません。あえて分けるなら、❤️を「強い愛」、♥️を「軽くてかわいいハート」と感じる人はいますが、それはフォントの印象の違いで決まりごとではありません。💕(2つのハート)、💗(大きくなるハート)、🩷(ピンクのハート)のような色や動きのあるハートと並べると、いちばん地味で、だからこそいちばん無難です。
日本・韓国・英語圏の違い
日本では絵文字が普及するずっと前から、「はーと」と入力して変換すると出る♥に親しんできました。ガラケー時代のメールやギャル文字の装飾には欠かせない記号で、その世代には❤️より♥のほうが「元祖ハート」です。日本語入力ではいまも♥と❤️が変換候補に並ぶため、両者をとくに意識せず使う人が多数派です。ただ、一部の端末やサービスでは♥が黒や文字フォントで表示されることが残っているので、確実に赤いハートで届けたいときは❤️を選ぶ、という助言もよく見かけます。
韓国でも事情はよく似ています。韓国語キーボードで「ㅁ」を打って漢字キーを押すと出てくる特殊文字の♥が古くから定番で、2000年代にサイワールド(韓国のSNS)の一言コメントやSMSを♥で飾った世代には、♥こそが元のハートです。いまもPCで文章を書くときや絵文字が化けるのを心配するときに♥を選ぶ人が多く、ブログのタイトルや掲示板の投稿の飾りにもよく使われます。カカオトークでは♥️も❤️も赤いハートで表示されるので区別されていません。
英語圏では「heart suit」という名前どおりカードゲームを先に連想する人が比較的多く、日常のメッセージでは圧倒的に❤️が使われます。♥️は絵文字キーボードの「記号」セクションの奥にあって、わざわざ探さないと出てこないためです。むしろ♥は、HTMLの特殊文字(♥)や昔の掲示板の署名、「I ♥ NY」のロゴのように「love」の代わりに置く文字記号として知られています。❤️ではなく♥️が届くと、「PCから打っているな」「昔ながらの人だな」という印象をひそかに与えることもあります。
誤解されやすい点
- いちばん多いトラブルは「黒いハートに見える」ことです。絵文字用の異体字セレクタが抜けると♥は文字記号として扱われ、黒や本文の色で表示され、受け取った側が🖤(黒いハート)と誤解することがあります。大事なメッセージなら❤️のほうが安全です。
- ❤️と♥️を混ぜて使うと、アプリによっては大きさや形が微妙に違う2つのハートになり、「意味が違うの?」と聞かれます。違いはありません。
- トランプの話題で♥️を使うと「ハートのマーク」なのか「好き」なのか曖昧になります。♠️♥️♦️♣️を並べて書けば誤解がなくなります。
- 検索やハッシュタグでは♥️と❤️は別の文字として扱われます。特定のタグを追いたいときは、そのタグが使っているほうをそのままコピーしてください。
プラットフォームによるデザインの違い
Appleでは❤️とほとんど同じ赤いハートに見え、並べても区別がつきにくく、よく見ると♥️のほうが少し平たい程度です。Google(Noto)もシンプルな赤いハートですが、❤️とは輪郭がわずかに違います。MicrosoftのFluentはカード記号という出自を生かして、ハートの周りに白いカード風の背景を敷く形で表現していて、「トランプのハート」であることがはっきり分かります。Samsungは赤いハートにつやを加えたデザインで、❤️とほぼ同じに見えます。つまりiPhoneやSamsungのユーザーには❤️と同じハートとして、Windowsのユーザーには「カードの記号」として届く可能性がある、というのが他のハートにはない特徴です。